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書籍「地球で生きている ヤマザキマリ流人生論」がもたらす、自由に生きるためのヒント

地球で生きている。

この当たり前の事実を肌で感じたことのある人は、果たしてどれだけいるだろうか。職場、地域、そして国など…。地球という大きな規模から見ればとてもちっぽけで些細なコミュニティの中で生きていると、周囲の視線や評価ばかりが気になってしまったりする。

しかし、私たちは「地球で生きている」のだ。

多少周りと違ったって、そんなことは地球という広いスケールで見れば大した事ではない。自分らしく、堂々と、パワフルかつ大らかに生きていく。そんな強さと美しさを教えてくれる一冊が、『地球で生きている ヤマザキマリ流人生論』(海竜社)だ。

『地球で生きている ヤマザキマリ流人生論』

イタリア在住の漫画家・ヤマザキマリ。ベストセラーとなった『テルマエ・ロマエ』の原作者としても有名な彼女が、自身の波乱万丈な人生を綴ったエッセイ集。

周囲の視線や評価などものともせず、自分らしく夢を追い求める彼女の力強さが宿った文章は、エネルギーに満ちている。

刺激に満ちた旅の記憶

彼女が原点として語るのが、14歳の時に経験したヨーロッパ一人旅だ。母の勧めによって訪れた異国での経験が、その後の彼女の人生に大きな影響を与えたという。

この経験をきっかけに、彼女は17歳でイタリアに渡ることになる。最初の旅での出会いが新たな人生の分岐点となり、芸術の道へと彼女を誘ったのだった。

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フィレンツェ、中東、アメリカと国境を超えながら過ごした彼女の旅の記憶もまた、本書の中で綴られている。ヤマザキマリという強くて逞しい女性の感性が捉えた世界の美しさは、いつの間にか読んでいるあなたを虜にするだろう。

強く、賢く、美しく。

彼女が本書の中で語る「女性論」では、旅を通じて出会った力強く生きる女性たちの姿が描かれている。

見た目の美しさではない。自らに自信と誇りを持つ彼女たちの、内面から溢れ出る美しさ。そんな強さと凛々しさに、思わず憧れを抱かずにはいられない。

本書の中に、著者がケルン行きの電車で出会ったある女性についてのエピソードがある。当時中学2年生だった彼女は、その知性溢れる優雅な女性に圧倒され、目を奪われたのだった。

私がそれまで日本という国の中で抱き続けてきた「ステキな女性」への固定観念を、この女性は一気に崩壊させてしまったからだ。

「女性らしさ」や「美しさ」に絶対的な定義などない。大切なのは、「自分がなにを美しいと思うか」だ。ここで彼女が伝えたいのは、そんなメッセージではないだろうか。

そして著者であるヤマザキマリ自身もまた、強く生きる魅力的な女性の一人だ。女性として生きることの素晴らしさや、女性だからこそ感じることのできる幸せ。それらを楽しみながら生きることこそが、彼女の魅力をつくりだしているのかもしれない。

一生続く「旅」がもたらすもの

彼女がエッセイの中で綴った中でも、ひときわ印象的なフレーズがある。

今や地球の全てが自分にとっての巨大な「ホーム」。

幼少期から北海道の広い自然に囲まれて育ち、果てしない空を眺めていた。ポルトガルでは、ロカ岬からの大海原を見て未知の世界に思いを馳せた。

そんな彼女にとって、地球とはもはや広いスケールではなく、その全てが “ホーム” と呼べるくらい身近で親しむべきものなのかもしれない。

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「旅」は生きることそのものであり、地球を肌で感じて楽しむのは当たり前のこと。ある種楽観的なその姿勢こそが、彼女の魅力の原点なのだろう。

自由に生きるための新たな視点

この本が私たちに教えてくれるのは、狭い世界や固定観念にとらわれず、自由に自分らしく生きるためのヒントである。

「地球で生きている」という新しい視点と実感を持つことは、悩みやコンプレックスを乗り越えて前向きに進むきっかけになるだろう。

私たちはもっと自由に、自分だけの美しさと共に、堂々と生きてもいいはずだ。

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