エネルギッシュな芸術。ニューヨークの夜はSTOMPが観たい

ニューヨークに訪れたなら、ブロードウェイミュージカルは必ず味わいたい芸術の一つだ。その中でも、観客席が500を下回る小さな劇場であるオフ・ブロードウェイには、「RENT」や「ブルーマン」のように低コストながらも挑戦的で、一味違ったショーが多く存在する。

「STOMP」もまた、極めて特異なパフォーマンス集団だ。

STOMP 〜全身で奏でるシンフォニー〜

1994年2月27日の初演から、今なおロングランを続けるSTOMP。8人の超一流パフォーマーによる、迫力と熱気に満ち溢れたパフォーマンスは異世界へと誘ってくれる。

 

 

「足を強く踏み鳴らす」という意味を持つSTOMPは、自分の手足はもちろん、マッチ箱やデッキブラシ、ゴミ箱などといった “楽器ではないもの” を駆使して音楽を奏でることで有名だ。

歌もなければ、言葉もない。マッチ箱のかすかな音色から始まる異色のパフォーマンスは、時間の経過とともにより大きな “日用品” が迫力のあるサウンドを創り出す。

 

 

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パフォーマーたちの鬼気迫る表情と一糸乱れぬ洗練された動きには、熱狂を覚え、心奪われるに違いない。

そして1時間半を超えるパフォーマンスが終わった時、そこには明確なストーリーとメッセージが存在していた事に気が付くであろう。

“明日が楽しみで仕方ない” 。
終演とともに、そんなエネルギーが湧き上がってくる不思議な感覚を、ぜひ味わってもらいたい。

 

 

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1981年、イギリスのブライトンでスティーヴ・マクニコラスとルーク・クレスウェルの二人が始めたSTOMPは、91年の夏にロンドン・ルームズベリー劇場で初めての公演を成功。94年にニューヨーク・オルフェウム劇場へと拠点を移した。

ニューヨークタイムズ誌では「観客を絶対に楽しませる作品」と絶賛され、オフ・ブロードウェイ作品を対象としたオビー賞や、ドラマ・ディスク賞を獲得するなど、ニューヨークの観客を魅了し続けている。

 

 

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そして2019年、STOMPは25周年を迎えた。これは「ブルーマン」に次ぐ、オフ・ブロードウェイ2番目のロングランとなる。当初は8人だったメンバーも、今は30人へと拡大し世界ツアーも行うまでになった。

オルフェウム劇場の小さな観客席からは想像が出来ないほどの大きなスケール感とエネルギーを秘める作品は、ニューヨークに訪れた際は必ず観ておきたい傑作だ。