その独創的な表現とインパクトあるパフォーマンスで注目されるダンサー/振付師、菅原小春。
米経済誌『Forbes』の特集「世界に影響を与えるアジアの30歳以下の30人」のエンタメ部門において日本人唯一の選出を果たすなど、世界からも高い評価を受けている。
10歳でダンスを始めた当時から、「世界一になる」というビッグな夢を抱いていた。
ダンスの専門学校を経て、2010年に単身渡米。その実力は高く評価され、現在は海外でのダンスレッスンなども行っている。
これまでに、リアーナ、安室奈美恵、少女時代など数々のアーティストのバックダンサーを務めてきた。21歳の時には、2NE1の「FALLING IN LOVE」で振付師としてもデビュー。
2015年に、三浦大知の「Unlock」のMVで圧巻のダンスバトルを披露し、その表現力の高さと存在感が広く認知されるきっかけとなった。
また2018年の紅白歌合戦では、米津玄師との共演も話題に。独自の表現スタイルで国内外から注目を集めている。
独創的なダンススタイル
彼女のダンスが高く評価される所以は、枠にとらわれない自由な表現だ。ジャンルの壁や既存の型に縛られることなく、自身の感性のままに踊る。
「Unlock」で共演した三浦大知は、彼女のダンスを「思った感情を100%ストレートにダンスで表現するのは、意外とできるようでできない」「音楽が小春についてくる」と語った。
音楽に合わせて踊るのではなく、音と融合して新たな表現を生み出すスタイルと言えるだろう。
また本人は『自分の第一言語はダンス』と語る。言葉が通じないアメリカでの経験を経て、心からダンスを踊ることで感情を伝えようとする姿勢が身についたという。
そんな彼女に対して、「踊っている時の表情が最高」「ダンスが好きなのが伝わってくる」とコメントするファンも多い。決められた振りの枠の中だけでなく、全身で訴えかけてくるパフォーマンスが見るものの心を動かすのだ。
「表現者」としての挑戦
彼女の表現活動は、既成概念にとらわれず新たな試みを続けることで成り立っている。
雑誌『GINZA』への出演やファッションショーとのコラボでは、「ダンスでどう服を表現できるか」に挑戦。その他にも数々のブランドキャラクターとしても活躍し、新たな表現の幅を広げている。
もはや彼女は、私たちが想像する「ダンサー」の枠を超えている。
彼女の佇まいが、眼差しが、全身から溢れ出る気迫そのものが私たちになにかを訴えかける。
『ダンサーという枠をぶち壊したい』と語る彼女は、ダンスが好きだからこそ、より新たな可能性を求めて行動し続けるのだろう。
2019年には演技にも挑戦。大河ドラマ「いだてん」において、日本人女性初のオリンピック選手・人見絹枝を演じる。
演技は未経験。だからこそ、「言葉ではなく体で、自分が胸に抱いている隠しきれない思いを、体でぶつけたい」と語っている。
ダンスだけにとどまらず、表現の幅を広げ続ける彼女には、まさに「表現者」という肩書きがふさわしい。
自由でダイナミックなパフォーマンス
全身から溢れる感情をそのままぶつけたダイナミックさと、クールさの中にも力強さが宿るまなざし。ふとした瞬間に見せるチャーミングな笑顔。
菅原小春という表現者が創り出す新たな世界観を、ほんの少しだけご紹介しよう。
MONDO GROSSO / 春はトワに目覚める
コンテンポラリーダンサー・辻本知彦と共に制作。
ポップさもありつつどこか神秘的で、映像全体が一つのアートのように感じられる。
森の中での自由な表現が、曲の世界観をより一層引き立てている作品。
Bose EARPHONE DANCING (MERRY XMAS!)
オーディオブランド「Bose」が特設サイトにて公開した、インイヤー型ヘッドホンのスペシャル動画。
同じく世界クラスのパフォーマンスグループ・s**t kingzのnoppoと共演したことで話題となった。
ひとつのヘッドホンで繋がったままの、ストーリー性あるシンクロダンスは圧巻。
Numéro TOKYO / dancing freely in white
雑誌『Numéro TOKYO』の企画において、エンポリオ・アルマーニのスタイルからインスピレーションを受けて創作したオリジナルパフォーマンスを披露。
潔い白スタイルを引き立てるクールな表情とキレのあるダンスに注目。
さらなる高みを求めて活躍の場を広げる彼女の魅力は、今後いっそう増していくだろう。
既成概念にとらわれず、思うがままに表現する。自由でダイナミックなパフォーマンスの数々は、まるで彼女の生き様そのものだ。
次はいったいどんな衝撃を与えてくれるのか。これからも表現者・菅原小春の変化に注目したい。